テックビンディング考(実際に稼働させてみてのレビュー)
前回の記事からだいぶ間が空いてしまいましたが、今回もテックビンディングについてです。
前回記事はこちらをご参照ください。
今回は実際にG3とDYNAFITを使用してみてのレビュー(私見丸出しですが)です。
G3のION12は3シーズン目ですが、他は本格投入していなかったので。
両者ヒールピースの構造は違えど、トゥピースについては左右から2本のピンで固定するという原理はご存知かと思います。
テックに限らずアルペンだろうがスキージャンプだろうが、ビンディングの機構上トゥピースからブーツをはめて履きますよね?
ですので、トゥピースとヒールピースを分けて評価したいと思います。
実際に滑走してみて安定性や安全性についてはどれもほとんど変わらなかったので、わかりやすいように以下の評価項目は3項目に限定し、5点満点で評価したいと思います。
- トゥピースの固定のしやすさ
- トゥピースの外しやすさ
- ヒールピース固定のしやすさ
※アルペンビンディングと違い、ヒールの外し方はトゥが外れれば勝手に開放しますので項目からは除外しています。
G3ですが
ION12
- トゥピースの固定のしやすさ:★★★★★
- ヒールピース固定のしやすさ:★★★★★
- トゥピースの外しやすさ: ★★★★★
いきなり満点出ちゃってG3の回し者かよと思われそうですがw
ION12は総合的に見てかなり高評価です。
まず、トゥ側にはガイドとなる突起がついていますのでブーツのコバを突起に合わせれば自動的にピンのポジションに合います。
そのままつま先を踏めばピンは固定される仕組みです。
トゥ側が入ったらそのままかかとに体重を掛ければヒールピースも容易に入ります。
次にトゥピースの外し方ですが、トゥピースのレバーをポール先端で押してつま先を上げれば容易に外れます。
↑これ何気なく書いていますが結構この後大事になってきますw
G3のトゥピースのレバーとスキー板トップシートの間には何もないんです。
これ大事です!
まぁいきなり満点ですが、これをメルクマールにしてください。
次に同じG3でもブレーキレスモデルのION LTについてです。
ION LT
- トゥピースの固定のしやすさ:★☆☆☆☆
- ヒールピース固定のしやすさ:★★★★★
- トゥピースの外しやすさ: ★★★★★
ION12とのビンディングの構造自体はトゥ・ヒールともに変わりはありませんが、ブレーキがついていません。
なのでリーシュコードをつける必要があります。
今までブレーキの存在のありがたみを感じたことなくなんなんだよブレーキってって思ってたんですが、ここにきて超絶ありがたみを感じます。
ブレーキレスだと滑走面と雪面がもろに接しちゃってるため抵抗はないですよね。
リーシュつけないと普通にスキー場のてっぺんから下の駐車場まで一気に流れてくような勢いですw
ですので、ゲレンデでは板流しちゃって他の方に怪我をさせたりしないよう、またBCの時は谷に落ちて帰れなっちゃうとか最悪の事態もありますので、板履くときはリーシュは絶対に外さないようにしましょう。
上で挙げた雪面への抵抗がないってことは、当然板を履くときも重要なファクターになります。
トゥピースを固定する際に抵抗がありませんので、スキーが谷側を向いて履くことは物理的に不可能です。
そしてION LTにはION12についているガイドの黒い突起がありません。
これも相まってトゥピースを固定するのは結構考えさせられます。
得策としてはポールでレバー部を押しつつ板が流れるのを押さえつつ、慎重かつ丁寧な姿勢で攻めましょうw
トゥが固定されればヒールはすぐにはまりますし、斜面だろうとかかとに加重すれば固定されますので余裕ぶっこいちゃって構いませんw
そして、トゥピースの外しやすさですが、固定のしにくさとは裏腹にION12と同じように容易に外れます。
ION LTもトゥピースのレバーとスキー板トップシートの間には何もないんです。
↑大事なことなので2回言いました
次に問題のDYNAFITです。
BEAST14
- トゥピースの固定のしやすさ:★★★★★
- ヒールピース固定のしやすさ:★★★★☆
- トゥピースの外しやすさ: ☆☆☆☆☆
ちょっといきなり辛辣な評価になったと思われるかもしれませんが、G3との相対評価もあって上記のような点数になっています。
まぁ、トゥピースはガイドもついてますしG3 ION12と遜色なく固定できます。
ヒールピースについては、前回の記事でも述べたようにヒールピース自体が前後にスライドするような構造のため、G3に比べるとちょっとコツがいります。
ただ、これについては慣れもあると思うので特に問題視するものではないと思います。
そして、、、
何といってもトゥピースの外しやすさ断トツのワーストです・・・
上述で2回繰り返しましたが、G3はレバーとトップシートの間には障害物はありません。
でもDYNAFIT BEAST14(RADICAL FT等も同じ構造と思われます)の場合、
トップシートとビンの間のマウントが大きいんですよ。
要はトゥピースのレバーとトップシートの間にマウントが1枚噛んでいます。
ここが大いに厄介でして、
どのビンディングを使ったとしてもトゥピース側に雪が侵入しないなんてことは不可能ですよね。
ツーリングのハイク時ですら雪は付きますし、もちろん滑走時なんてキレッキレのカービングで飛ばしたとしても少なからず雪は舞いますよね、
ということは
新雪なんて滑ったら雪が付かないことはあり得ないですよね。
多分、多分ですけど自分の憶測としてはヨーロッパメーカーであることから、開発時には欧米の雪質でテストを繰り返していると思うんです。
でも日本のように水分の多い雪質ってのはあんまり想定して開発されてないと思うんです。
まぁ長々とあくまで持論をつらつら書いていますが、
要するに
日本の雪質だとレバーとマウントの間に雪が入り込んで(抜けも悪い構造なので)、
いくらレバーをポールで押し込んでも外れない!!!
って場面が多々ありました。
強く押し込んでもてこの原理が働いて全然外れないなんてこともしばしば。
レバーの下に完全にマウントが覆っていますよね。
一方こちらはG3のトゥピースピースです。
レバーとトップシートの間には何もなく、レバー根本部分も雪が抜ける構造になっているのがわかります。
画像で比較してみるとよくわかりますよね。
おそらくこんなどうしようもないレビュー書いてる方はいないと思いますし、実際わかっていたらこの構造のビンディングは避けていたかもしれません。
まぁ実際海外通販でモノを見ずセールで激安になって飛びついたんでしょうがないんですがw
むしろこの問題を考えたとしても超絶安さで買えたので仕様だと思ってますw
もうとっくにシーズンインしててこんなブログ参考にならねーよ!とか、
そんなこととっくに知ってるよ!とかあると思いますが、
一人でもご参考になればと思いご紹介しました。